民泊の申請は行政書士に依頼できる!費用や流れなどについて紹介

民泊を始めるには各種申請が必要ですが、手続きの複雑さに不安を感じる方も多いでしょう。そのようなとき頼りになるのが行政書士です。行政書士は、民泊の手続きに精通しているため、スムーズに営業できるようになります。
この記事では、民泊申請を行政書士に依頼できる申請書類や費用相場、許可を取得するまでの流れなどについて詳しく解説します。
民泊の申請は行政書士に依頼できる

民泊を運営するには、さまざまな申請手続きが必要です。これらの手続きは、法律や規制に基づいて行われるため、専門的な知識が求められます。
特に、初めて民泊を始める方にとっては、申請の内容や流れが複雑で不安を感じることも多いでしょう。そこで、頼りになるのが行政書士です。
行政書士は、法律に基づいた書類作成や手続きの代行を行う専門家です。民泊の申請に関しても、行政書士に依頼すれば、スムーズに手続きを進められます。
必要書類の準備や提出のほかに、行政機関とのやり取りも代行してくれるため、時間や労力を大幅に削減することが可能です。また、申請書類の不備や誤りを防ぎ、許可を得る確率を高められるでしょう。
民泊を始める際は、ぜひ行政書士のサポートを検討してみてください。
民泊の代行で依頼できる申請書類
民泊を運営するには、さまざまな申請書類を提出する必要があります。これらの手続きは複雑で、法律や規制に関する知識が求められるため、行政書士に依頼することが非常に有効です。
ここでは、行政書士に依頼できる主な申請書類について詳しく紹介します。
民泊新法に基づく民泊

民泊新法に基づく民泊で、行政書士に依頼できる主な申請書類は、下記のとおりです。
依頼できる申請書類 | 概要 |
届出所 | 申請用の書類 |
平面図 | 建物内部の構造や設備の配置状況を示した図面 |
消防法令適合通知書 | 物件が消防法に適合していることを示す通知書(所轄の消防署が発行) |
欠格事由に該当しないことを誓約する書面 | 申請者自身が、法令上の欠格条件に該当していないことを誓うための書面 |
民泊新法は、住宅を有料で短期間貸し出す民泊事業を規制する法律のことで、2018年に施行されました。宿泊需要に応えるために設けられたもので、個人の自宅や空き家を宿泊施設として提供が可能です。
民泊新法に基づく運営を行うには、事前に都道府県や市区町村に対して届出を行う必要があります。運営者は宿泊者に対して一定の情報提供を行う義務があり、利用者の安全を確保しなければなりません。
また、民泊新法では宿泊日数の上限が設定されており、年間180日までの宿泊が可能です。この制限は、地域の住環境を守るために設けられており、過度な宿泊施設の増加を防ぐ役割を果たしています。
旅館業法(簡易宿所)
旅館業法で行政書士に依頼できる主な申請書類は、下記のとおりです。
依頼できる申請書類 | 概要 |
旅館業営業許可申請書 | 旅館業の営業許可を取得するために提出する正式な申請書類 |
申告書 | 申請者が法律上の欠格事由に該当しないことを自己申告するための書面 |
見取り図 | 建物の位置関係や周辺状況を示す略図 |
図面 | 建物の全体構成を示すもので、配置図や各階の間取り図、外観図(正面・側面)および設備の設置状況を含む詳細な図面 |
旅館業を営むために必要な権原を有することを示す書類 | 物件の運営に必要な法的権利(所有・賃貸など)を保有していることを証明する書類 |
旅館業法に基づく簡易宿所は、民泊新法とは違い営業日数に制限がありません。
ただし、簡易宿所として営業を行うには、旅館業法に基づく許可を取得する必要があります。この許可を得るには、物件が適切な基準を満たしていることを証明するための書類を提出しなければなりません。具体的には、建物の構造や設備、消防法に基づく安全対策などがチェックされます。
また、簡易宿所の運営には、宿泊者に対するサービスの質を維持するための管理体制も求められます。これには、宿泊者のチェックイン・チェックアウトの手続きや、清掃、衛生管理などが含まれます。これらの要件を満たすことで、許可を取得することが可能です。
国家戦略特区法(特区民泊)
国家戦略特区法で、行政書士に依頼できる申請書類は、下記のとおりです。
依頼できる申請書類 | 概要 |
認定申請書 | 特区民泊としての運営許可を得るために提出する申請用書類 |
宿泊に関する約款 | 宿泊料金や利用条件など、宿泊サービスの内容を明記した契約書類 |
図面 | 物件の構造や設備の配置を示す設計図・配置図 |
近隣住民への説明に関する報告 | 民泊事業について周辺住民に説明した内容を記録・整理した報告書 |
苦情対応方法に関する説明 | 運営中に発生しうる苦情やトラブルへの対応方法をまとめた説明資料 |
消防法令適合通知書 | 建物が消防に関する法令を満たしていることを証明する、消防署発行の通知文書 |
民泊を営むために必要な権原を有することを示す書類 | 申請者が物件を使用・運営できる正当な権利を有していることを証明する書類(例:所有権や賃貸契約書など) |
国家戦略特区法に基づく特区民泊は、特定の地域において民泊を行うための特別な制度です。特区民泊では、旅館業法の許可ではなく、特区法に基づく認定を受けると営業できます。
また、宿泊日数についても各自治体が条例で柔軟に設定できるため、通常より自由度の高い運営が可能です。ただし、特区民泊を運営するには、定められた条件を満たさなければなりません。例えば、地域の住民との合意形成や、周辺環境への配慮が求められます。
民泊の申請を行政書士に依頼した場合の費用相場

民泊の申請を行政書士に依頼する際の費用は、依頼する内容や地域によって異なるものの、一般的には下記が相場とされています。
- 民泊新法に基づく民泊……20万円程度
- 旅館業法・国家戦略特区法……25〜40万円程度
行政書士によっては、初回相談料や書類作成料、申請手数料などが別途発生する場合もあるため、事前に見積もりを取ることをおすすめします。スムーズに申請手続きを進めるためにも、依頼する際は費用だけでなく、行政書士の経験や実績も考慮し自分に合った専門家を選びましょう。
民泊の申請を行政書士に依頼する際の流れ

民泊の申請を行政書士に依頼する際の流れは、いくつかのステップに分かれています。ここでは、民泊の申請を行政書士に依頼する際の流れを具体的に紹介します。
物件を調査してもらう
民泊の申請を行政書士に依頼する際、最初に行われるのが物件の調査です。行政書士に調査を依頼すれば、専門的な視点から物件の適合性を確認してもらえます。
具体的には、物件が民泊として運営可能かどうか、周辺環境や法律に基づく制約がないかを調査してくれます。また、地域の条例や規制に従った運営が求められるため、行政書士はこれらの情報を基に適切なアドバイスを提供します。
代行の契約を交わす
物件の調査が終了したら、代行の契約を交わします。契約内容には、下記のような内容が含まれます。
- 業務の範囲
- 報酬
- 納期
- キャンセルポリシー
契約時は疑問点や不安な点をしっかりと確認し、納得したうえで進めることが大切です。信頼できる行政書士に依頼して、手続きをスムーズに行ない、安心して事業をスタートさせましょう。
必要書類を揃えて作成する
契約を交わしたら、必要書類を揃えて行政書士に作成してもらいます。行政書士が申請に必要な書類のリストを提示してくれるため、依頼者側で物件や申請内容に応じた必要書類を調べる必要がありません。
依頼者は求められた申請書類を準備し、行政書士が作成します。書類の作成では、法令に基づいた正確な記載が求められるため、専門家の対応によりミスや不備のリスクを大幅に減少させることが可能です。
また、行政書士は各自治体が定める独自の提出様式や、オンライン申請システムの使い方にも精通しています。そのため、完成した書類は、必要な形式・内容を満たした状態でスムーズに提出できるよう仕上げてもらえます。
届出をする
書類を作成したら、所定の行政機関に対して正式に申請を行います。行政書士は行政機関での手続きも代行してくれるため、依頼者は直接出向く必要がありません。
また、届出の際は地域によって異なる規制や要件があり、行政書士はその地域の特性を理解し、適切な手続きを行ってくれます。
行政機関の審査を受ける
届出が受理されると、行政機関による審査が始まります。この審査期間は地域や申請内容によって異なり、数週間〜数ヶ月程度かかるでしょう。行政書士によっては、この間も申請者に進捗状況を報告し、必要に応じて追加の情報提供を行うなどのサポートを続けてくれます。
審査の際には、物件の下記のような状況がチェックされます。
- 立地
- 周辺環境
- 施設の安全性
- 衛生管理
特に、民泊新法や旅館業法に基づく申請の場合、宿泊施設としての基準を満たしているかどうかが厳しく審査されるため、事前にしっかりと準備をしておくことが重要です。
許可を取得する
許可を取得したら、民泊の運営を開始できます。また、許可が下りた後も、民泊運営に関する法律や規制に変更が出る可能性があるため、定期的に最新情報を把握し、必要に応じて再申請や手続きを行いましょう。
行政書士によっては、許可取得後のアフターフォローも行ってくれるため、必要に応じて依頼してみてください。なお、民泊新法に基づく民泊では届出番号の交付後から営業が可能です。
まとめ
民泊の申請は、法令遵守や適切な手続きが求められるため、多くの方が不安を感じるのは当然です。しかし、行政書士に依頼することでその不安を解消でき、スムーズに申請を進められます。
行政書士は、民泊新法や旅館業法、国家戦略特区法に基づく申請書類の作成や提出を代行してくれるため、専門的な知識を持つプロに任せることで、安心して民泊事業をスタートできるでしょう。