民泊からの撤退を検討中の方へ|原状回復ではなくM&A(事業譲渡)という選択肢

「民泊の運営負担が大きくなってきたので、そろそろ撤退したい」
「別の新規事業に注力するため、今の民泊を手放したい」
民泊事業を運営している方の中で、このような理由から「撤退」を検討される方は少なくありません。しかし、一般的な賃貸契約と同じように「退去届を出して原状回復して終わり」と考えていると、思わぬ出費や手間がかかってしまうことがあります。
この記事では、民泊・宿泊事業に特化したM&A仲介として日々多くの案件を扱っている専門家の視点から、民泊事業から撤退する際の「単純な退去(原状回復)」と「M&A(事業譲渡)」の違いについて分かりやすく解説します。
民泊を単純に「退去(撤退)」する場合のコストと手間
民泊向けに借りている賃貸物件(転貸可能物件)を単に解約して撤退する場合、通常の引っ越し以上に大きなコストと手間が発生します。
1. 原状回復費用の負担
民泊を始める際、部屋のレイアウトを変更したり、壁紙を張り替えたりしているケースは多いでしょう。退去時には、これらをすべて入居時の状態に戻す「原状回復」の義務が生じます。
また、民泊として不特定多数のゲストが利用していた部屋は、通常の居住用物件よりも消耗が激しく、原状回復費用が高額になるケースが珍しくありません。
2. 家具・家電の処分費用と手間
民泊のために買い揃えた大量のベッド、ソファ、テレビ、冷蔵庫、リネン類などの処分は非常に大きな手間です。
粗大ゴミとして捨てるにも費用や手続きがかかり、リサイクル業者に買い取りを依頼しても、二束三文にしかならないのが現実です。
3. 解約予告期間中の空家賃
事業者向けの賃貸契約の場合、解約予告期間が「退去の3ヶ月前〜半年前」に設定されていることが多くなります。
「もう運営をやめたい」と思っても、すぐに撤退できるわけではなく、その間の家賃(空家賃)を支払い続けなければなりません。
「M&A(事業譲渡)」という選択肢のメリット
上記のような「マイナスの撤退(費用を払って辞める)」に対し、私たちが強くおすすめしているのが「M&A(事業譲渡)によるプラスの撤退」です。
現在運営している民泊事業を、そのまま第三者に売却(譲渡)することで、以下のような大きなメリットを得られます。
1. 退去費用(原状回復・処分費)がゼロになる
M&Aで事業を譲渡する場合、部屋の内装や家具・家電は「事業用資産」としてそのまま買主に引き継がれます。
そのため、高額な原状回復費用を支払う必要も、重い家具を運び出して処分する手間も一切かかりません。
2. 事業価値として「売却益」が得られる
ここがM&A最大のメリットです。
もし現在の民泊がしっかりと利益を出している場合、その事業価値が評価され、売却益(譲渡対価)を得ることができます。
民泊M&Aの売却価格(マルチプル)は、一般的に「年間利益の2.0〜3.5倍」となるケースが多いです。(※利益額や物件条件によって変動します)
「お金を払って撤退する」はずだったものが、「数百万円のキャッシュを得て撤退する」ことに変わるのです。
3. 次の事業(別事業)の資金に充てられる
「別事業に集中したい」という理由で撤退を検討している方にとって、M&Aで得た売却益は、そのまま次の事業への貴重な投資資金(軍資金)となります。
実際に弊社にご相談いただく中にも、「民泊を高く売却して、その資金で飲食業や不動産業など本業の拡大に投資する」という経営者様が多くいらっしゃいます。
まとめ
民泊事業から撤退する際の選択肢として、単純な退去とM&A(事業譲渡)の違いについて解説しました。
- 単純な退去:原状回復費用、家具の処分費、解約予告期間の空家賃など「持ち出し(マイナス)」が発生する。
- M&A・事業譲渡:退去費用や処分費がゼロになるだけでなく、「年間利益の2.0〜3.5倍」を目安とした売却益(プラス)を得られる可能性がある。
もちろん、すべての物件が必ず売れるわけではありません(赤字が続いている、立地が極端に悪いなど)。しかし、少しでも利益が出ている状態であれば、まずはM&Aの可能性を探ってみる価値は十分にあります。
民泊投資や民泊運営を検討している方は、
新規開業だけでなく、民泊M&Aも一つの選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。
民泊専門M&A仲介 Tabiji Partnersに相談する
本記事の監修
株式会社Tabiji Partners代表取締役
濱口優太郎
東京都の旅館業民泊・住宅宿泊事業を中心に、東京都の各種民泊事業譲渡プロジェクトのメインアドバイザーとして、民泊・旅館業M&Aを成約に導く。個人での仲介実績は30件超