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民泊の稼働率を上げる方法|計算から改善施策まで運営者が押さえるべきポイントを解説

民泊の稼働率を上げる方法|計算から改善施策まで運営者が押さえるべきポイントを解説

民泊経営において、稼働率は収益を直接左右する最も重要な指標です。どれだけ魅力的な物件でも、予約が入らなければ利益は生まれません。立地や価格設定、清潔さやレビュー評価など、稼働率を高めるための要素は多岐にわたります。

 本記事では、民泊の稼働率の考え方や計算方法、稼働率を上げるための具体的な施策、そして収益性を改善するポイントまで、運営者が知っておくべき情報を詳しく解説します。

民泊の稼働率とは?計算方法と重要性

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稼働率は、民泊ビジネスの健康状態を測るバロメーターです。感覚的に「忙しい」「暇だ」と判断するのではなく、数値に基づいて現状を把握することが、経営改善の第一歩となります。まずは定義と計算方法を正しく理解しましょう。

稼働率の定義と計算式

稼働率とは、営業可能な日数に対し、実際にゲストが宿泊した割合です。計算式は以下の通りです。

稼働率(%) = 実際の宿泊日数 ÷ 営業可能日数 × 100

例えば、30日のうち15日埋まれば稼働率は50%です。注意点は営業可能日数の定義です。民泊新法では年間180日制限があるため、実質的な集客力を測るには、実際に予約を受け付けた日(カレンダーを開放した日)を分母にして計算するのが一般的です。

稼働率と収益の関係

売上は「単価(ADR)× 稼働率 × 部屋数」で決まります。部屋数が固定である以上、売上アップには単価か稼働率を上げるしかありません。

一般的に損益分岐点は稼働率40%〜50%程度と言われ、これを下回ると赤字リスクが高まります。逆に80%を超えると利益率は大幅に向上します。

ただし、安売りで無理に稼働率を上げても、清掃費などの変動費がかさみ手元利益が減ることもあるため、単価とのバランス感覚が重要です。

民泊の稼働率に影響する条件

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稼働率は、オーナーの努力だけではコントロールできない外部要因にも大きく左右されます。自分の物件がどのような条件下にあるかを客観的に分析し、その特性に合わせた戦略を立てることが求められます。

立地による稼働率の傾向

「民泊は立地が9割」と言われるほど場所は重要です。新宿や大阪・難波などの都市部観光地は、観光とビジネス双方の需要があり、通年で稼働率80%以上も狙えます。

一方、箱根や軽井沢などのリゾート地は、週末や連休に需要が集中し、平日は稼働が下がる傾向にあります。駅から遠い住宅街なども同様です。立地ごとの「稼働率のポテンシャル」を理解し、無理のない収支計画を立てる必要があります。

シーズン・曜日による予約の波

民泊需要には明確な季節性があります。桜の季節、GW、夏休み、年末年始は繁忙期で、自然と予約が埋まります。

逆に梅雨や1月〜2月は閑散期となり、観光地では平日と週末の格差も顕著です。稼働率は単月で一喜一憂せず、年間平均で見ることが大切です。特に180日制限がある場合、需要の低い時期は休止し、繁忙期に営業日数を集中させる戦略も有効です。

物件タイプによる稼働パターンの違い

ワンルーム等の少人数向けは、カップルやビジネス客がターゲットで、平日含めコンスタントに埋まりやすく、直前予約も多いのが特徴です。

対して一棟貸し等の大人数向けは、グループ旅行がメインです。数ヶ月前から計画的に予約が入りますが、平日の稼働は低めになります。しかし、週末の高単価予約で収益を確保できるため、稼働率自体は低くても利益が出るケースが多いです。

民泊の稼働率を上げるための施策

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稼働率を向上させるためには、待っているだけでは不十分です。予約サイトのアルゴリズムを理解し、ゲストの目に留まる工夫を凝らす必要があります。即効性のある4つの施策を紹介します。

適切な価格設定とダイナミックプライシングの実施

最も効果的なのは価格調整です。周辺の競合物件や需要予測に基づいて価格を変動させるダイナミックプライシングを導入しましょう。 閑散期や平日には価格を下げて予約を取りに行き、繁忙期には強気の価格設定で利益を最大化します。

手動での調整には限界があるため、「MetroEngines」や「PriceLabs」などの自動価格調整ツールを導入するのが一般的です。また、直前まで空室がある場合は「直前割引」を、長期滞在を促すために「連泊割引」を設定するのも、空室を埋めるための基本テクニックです。

写真・物件説明の最適化で魅力を伝える

Airbnbなどのプラットフォームでは、写真が全てといっても過言ではありません。トップ画像が暗かったり、生活感がありすぎたりすると、詳細ページを開いてすらもらえません。プロのカメラマンに依頼し、広角レンズを使って明るく清潔感のある写真を掲載しましょう。

物件説明文(リスティング)も重要です。「駅から徒歩5分」「Wi-Fi完備」といったスペックだけでなく「朝日で目覚める心地よい寝室」「地元の食材を楽しめる広々キッチン」など、滞在シーンがイメージできる文章を心がけます。

英語や中国語など多言語での記載も、インバウンド集客には必須です。

高評価レビューの獲得とゲスト対応の改善

稼働率を長期的に維持するためには、高評価レビューの蓄積が欠かせません。検索順位のアルゴリズムにおいて、レビューの点数と数は大きなウェイトを占めます。 清潔さは当然として、ゲスト対応のスピードが重要です。

問い合わせには1時間以内に返信する、チェックイン手順を分かりやすく図解で送るなど、ストレスのないコミュニケーションを徹底しましょう。

期待以上の対応を受けたゲストは、高評価のレビューを残してくれるだけでなく、リピーターになったり友人に紹介してくれたりします。

複数の予約サイトへの掲載(OTA戦略)

Airbnb一本に依存するのはリスクがあります。Booking.com、Expedia、Agoda、楽天トラベルなど、複数のOTA(オンライントラベルエージェント)に掲載し、間口を広げることで稼働率アップを狙います。これをマルチチャネル販売と呼びます。

複数サイトを運用する際は、ダブルブッキングを防ぐためにサイトコントローラーの導入が必須です。空室を一元管理し、あるサイトで予約が入ったら他のサイトのカレンダーを自動で「満室」にしてくれます。

各OTAにはユーザー層の違いがあるため、多方面にアプローチすることで閑散期の穴埋めにも効果を発揮します。

稼働率が低い原因と改善ポイント

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「予約が入らない」と悩んでいる場合、必ずどこかに原因があります。自己評価と市場評価のズレを修正し、ボトルネックを解消するためのチェックポイントを解説します。

価格が高すぎる・安すぎる場合の見直し

周辺相場に対して価格設定がズレていないか確認しましょう。 予約が入らない最大の理由は価格が高すぎることです。自分の物件への愛着から、「内装にこだわったから高くても売れるはず」と考えがちですが、ゲストはシビアに比較検討しています。

まずは相場より少し安く設定し、稼働率を見ながら徐々に上げていくのがセオリーです。 逆に、安すぎるのも問題です。予約は埋まるかもしれませんが、客層が悪くなりトラブルが増える傾向があります。

適正価格を見極めるには、近隣の類似物件のカレンダーをチェックし、いくらで予約が入っているかを定点観測するのがおすすめです。

清潔さ・設備不足によるレビュー低下

「写真と違う」「掃除が行き届いていない」といったレビューは致命的です。特に髪の毛の落ち残りや水回りのカビ、リネンの臭いには注意を払ってください。

清掃業者に任せきりにせず、定期的にオーナー自身がチェックを行い、品質を管理しましょう。また、Wi-Fiが遅い、エアコンが効かない、アメニティが貧弱といった設備不足も低評価の原因です。

「あって当たり前」の設備が欠けていると、他の点が良くても減点されます。レビューで指摘された点は即座に改善し、「指摘を受けて新品に交換しました」と返信欄でアピールすることで、誠実な対応を示すことができます。

競合物件との差別化不足

エリア内に同じような民泊が増えると、価格競争に巻き込まれます。選ばれる理由を作るための差別化が必要です。

 例えば、「プロジェクター付きで映画鑑賞ができる」「高級ドライヤーや美容家電が使える」「ペット同伴可能」「ワーケーション用の本格的なデスク完備」など、特定のターゲットに刺さるコンセプトを打ち出しましょう。

ありきたりな部屋から脱却し、付加価値を提供することで、価格以外の判断基準をゲストに持たせられます。

稼働率と収益のバランスを取る考え方

稼働率は高ければ高いほど良いと思われがちですが、必ずしもそうではありません。消耗を抑えつつ利益を最大化するためには、「稼働率」と「単価」のバランスを最適化する視点が必要です。

稼働率100%が必ずしも最適ではない理由を理解する

稼働率100%を目指して安売りを続けると、以下のような弊害が生まれます。

  • 清掃コストの増大: 入れ替わりが激しくなり、清掃回数(リネン交換費)が増える
  • 物件の劣化: 家具や家電の消耗が早まり、修繕費がかさむ
  • 運営の手間: ゲスト対応の時間が増え、疲弊する
  • 機会損失: 本当に泊まりたい高単価なゲストの予約を、安値で埋めてしまっている可能性がある

理想的なのは、単価を上げて稼働率を80%程度に抑えつつ、売上総額はキープする状態です。少ない稼働日数で同じ売上が作れれば、経費と労力を削減でき、結果として手残りの利益は高まります。

RevPAR(客室単価×稼働率)で収益を評価する

ホテルの経営指標として使われるRevPAR(レヴパー:Revenue Per Available Room)の考え方を導入しましょう。これは「販売可能な客室1室あたりの売上」を示す指標です。

RevPAR = 平均客室単価(ADR) × 稼働率

具体例として、以下のケースを見ていきましょう。

A:単価10,000円 × 稼働率90% = RevPAR 9,000円 

B:単価15,000円 × 稼働率60% = RevPAR 9,000円

AとBは売上(RevPAR)は同じですが、Bの方が清掃回数が少なく、経費が安く済むため、利益は大きくなります。

稼働率という単一の数字だけを追うのではなく、RevPARを最大化させることを目標に、価格と稼働率のバランスを調整していくのが、賢い民泊経営のコツです。

まとめ

民泊の稼働率向上は、価格戦略・物件の魅力づくり・ゲスト対応の改善など、複数のポイントを組み合わせることで実現できます。写真の撮り直しやマルチチャネル化など、できることから一つずつ実行しましょう。

ただし、単に稼働率を上げることだけが正解ではありません。安売り競争に巻き込まれず、RevPAR(販売可能室あたりの売上)を意識し、収益性と運営負荷のバランスが取れたポイントを見つけることが重要です。

本記事で紹介した施策を参考に、自分の物件に合った改善策を実践し、安定した民泊経営を目指しましょう。

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