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民泊収益シミュレーションの方法を解説!利回り計算・稼働率・経費まで初心者向け収支モデル

民泊収益シミュレーションの方法を解説!利回り計算・稼働率・経費まで初心者向け収支モデル

民泊経営を検討する際、最も気になるのが「実際にどれくらいの収益が得られるのか」という点です。物件取得費や運営コスト、稼働率によって収支は大きく変動するため、事前のシミュレーションが欠かせません。

本記事では、民泊の収益シミュレーションに必要な項目や計算方法、実際の収支モデル例を紹介します。

民泊収益シミュレーションの基本

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正確なシミュレーションには、収入と支出の構造を漏れなく把握することが不可欠です。民泊特有の収益項目や経費項目を正しく理解し、解像度の高い試算表を作成するための基礎知識を解説します。

収入の内訳(宿泊料金・清掃料・追加サービス) 

民泊のメイン収入は宿泊料金です。これは1泊あたりの単価×宿泊数で算出されます。民泊では1部屋(1棟)あたりの料金設定が基本となり、設定人数を超えた場合の追加ゲスト料金も収益源となります。

次に大きいのが清掃料金です。Airbnbなどのプラットフォームでは、宿泊料金とは別に清掃費を設定できます。シミュレーション上の売上は宿泊料+清掃料の合計で見積もる必要があります。

さらに、アーリーチェックインやバーベキュー機材のレンタル料、ペット同伴料金などの追加サービスによる収入も見込めますが、シミュレーション段階では保守的に見積もるのが無難です。

支出の内訳(固定費・変動費・税金) 

支出は、毎月発生する固定費と、稼働に応じて増減する変動費に分けて考えます。固定費の代表は家賃やローン返済額で、インターネット通信費、光熱費の基本料金、管理代行会社への固定委託費、火災保険料などが含まれます。

変動費で最も大きいのは、OTA(予約サイト)への手数料です。Airbnbであればホスト手数料として約3%、Booking.comなどでは10%〜15%程度が引かれます。また、清掃業者への委託費、リネンクリーニング代、消耗品費、光熱費の従量分も稼働率に比例して増加します。

最後に税金です。利益が出れば所得税や住民税が発生し、固定資産税や都市計画税、自治体によっては宿泊税がかかる場合もあります。手元に残るキャッシュフローを把握するため、これらの税金コストも概算で入れておく必要があります。

民泊の収益を左右する3つの指標

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シミュレーションの精度を高めるには、数字の根拠となる指標設定が重要です。民泊経営のKPI(重要業績評価指標)である「稼働率」「平均宿泊単価(ADR)」「利回り」について、具体的な設定方法と考え方を解説します。

稼働率の設定と現実的な予測方法

稼働率とは、営業可能な日数に対して、実際に予約が入った日数の割合を指します。計算式は「予約獲得日数÷営業可能日数×100」です。

シミュレーションでやりがちな失敗は、希望的観測で稼働率90%などの高い数値を設定してしまうことです。日本の平均的な民泊稼働率は、通年平均で50%〜70%程度が現実的なラインと言われています。

特に注意が必要なのが、民泊新法の180日制限です。この法律の下で運営する場合、年間の営業日数が半分に制限されるため、最大でも稼働率は50%(180日÷365日)が上限となります。

特区民泊や旅館業法の許可を取る場合は365日営業が可能ですが、周辺物件のカレンダー稼働状況をリサーチツール(AirDNAなど)で確認し、保守的な数値を設定しましょう。

平均宿泊単価(ADR)の設定方法

平均宿泊単価(ADR:Average Daily Rate)は、1泊あたりの平均売上額のことです。ADRの設定は変動で考える必要があります。民泊はホテルと同様に、平日と週末、繁忙期と閑散期で価格を大きく変えるダイナミックプライシングが一般的だからです。

シミュレーションでは、まず近隣の競合物件の宿泊料金を調査します。その上で、平日のボトム価格、週末の価格、ゴールデンウィークや年末年始のトップシーズンの価格を設定し、それぞれの稼働日数を掛け合わせて月ごとの平均単価を算出します。

また、最大収容人数も単価に影響します。追加ゲスト料金を設定することでADRを引き上げることが可能です。

想定利回りと投資回収期間の計算 

投資判断の最終的な決め手となるのが利回りです。利回りには表面利回りと実質利回りの2種類があります。表面利回りは「年間売上÷物件取得費×100」で計算され、物件のポテンシャルを大まかに把握するのに使われます。

しかし、実際に手元に残るお金を知るには、経費を差し引いた実質利回り(年間売上−年間経費)÷物件取得費×100)を見る必要があります。民泊は一般的な不動産賃貸業よりも運営経費率が高くなる傾向があるため、表面利回りだけで判断するのは危険です。

また、投資回収期間も重要です。「初期投資額÷年間キャッシュフロー」で、何年で元が取れるかを計算します。自分の資金計画に合わせて、目標とする利回りと回収期間を設定しましょう。

実例で学ぶ民泊収益シミュレーション

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理論だけでなく、具体的な物件タイプ別の収支モデルを見ることでイメージが湧きやすくなります。ここでは「都心ワンルーム」「地方一戸建て」「リゾート物件」の3パターンで、架空のシミュレーションを行います。

都心ワンルームマンションの収支モデル

東京都心部の駅徒歩5分、25㎡のワンルームマンションを想定します。宿泊単価は平日8,000円、週末12,000円で設定し、年間平均稼働率60%とすると、年間売上は約210万円です。

ここから清掃費(1回3,000円×月15回)で年間約54万円、管理委託手数料(売上の20%)で42万円、光熱費・通信費で年間18万円、リネン・消耗品で年間12万円が発生します。

固定費として管理費・修繕積立金が月2万円(年間24万円)かかるため、年間収支は40~50万円のプラスとなります。都心部は稼働率が安定しやすく、ビジネス客の平日需要も見込めるのが特徴です。

地方観光地の一戸建ての収支モデル 

京都や金沢などの観光地にある戸建て(3LDK、80㎡)を想定します。1棟貸しのため宿泊単価は高めに設定でき、平日18,000円、週末25,000円とします。年間平均稼働率は50%と控えめに見積もり、年間売上は約380万円です。

清掃費は広さに応じて1回8,000円(月8~9回)で年間約80万円、管理委託手数料(15%)で57万円、光熱費・通信費で年間30万円、リネン・消耗品で年間24万円とします。また、固定資産税が年間12万円として、年間収支は約90万円のプラスです。家族やグループ客をターゲットにでき、客単価を高く設定できる点がメリットですが、清掃費が高額になる点に注意が必要です。

別荘地リゾート物件の収支モデル 

軽井沢や箱根などの別荘地にある一戸建て(4LDK、100㎡)を想定します。

宿泊単価は平日20,000円、週末・連休35,000円と高めですが、季節変動が大きく、繁忙期(GW・夏休み・年末年始の計3ヶ月)は稼働率80%、通常期(6ヶ月)は40%、閑散期(3ヶ月)は20%と仮定すると年間売上は約390万円です。

清掃費(1回10,000円×月7~8回)で年間約90万円、管理委託手数料(18%)で70万円、光熱費(冬季の暖房費が高額)で年間48万円、リネン・消耗品で年間30万円、固定資産税で年間20万円が発生し、年間収支は約60万円のプラスとなります。

繁忙期の収益性は高いものの、閑散期の稼働率低下と光熱費の高さがリスク要因です。

収益性を高めるための工夫

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シミュレーション結果をもとに、さらに利益を伸ばすための対策を考えましょう。売上を最大化する「攻め」の戦略と、経費を削減する「守り」の戦略の両面から、民泊の収益性を高める具体的な工夫を紹介します。

稼働率を上げる工夫と価格戦略

稼働率アップの鍵は、プラットフォーム上の検索順位です。Airbnb等は写真の質や返信速度を重視するため、プロによる撮影や即時の予約確定設定、ゲストへの迅速なレスポンスを徹底することで、上位表示を狙いましょう。

また、需要に応じて価格を変える「ダイナミックプライシング」も必須です。イベント時や連休は強気に設定し、逆に予約の入りにくい平日は価格を下げて稼働を取りに行きます。「直前割引」や「連泊割引」の設定も、空室を埋めるのに効果的です。

さらに、Airbnb一本に絞らず、Booking.comや楽天トラベルなど複数のサイトに掲載することで、取りこぼしを防げます。

コスト削減と効率的な運営方法

経費の大部分を占める清掃費や委託費は、自宅近くであれば「自主管理」に切り替えることで大幅に利益率が改善します。完全委託の場合でも、消耗品をECサイトでまとめ買いしたり、電力会社を見直したりといった細かな削減の積み重ねが重要です。

また、ITツールによる効率化は欠かせません。「スマートロック」で鍵の受け渡しを無人化し、「AIチャットボット」で質問対応を自動化すれば、人件費を抑えつつ24時間対応が可能になります。

騒音センサー等の導入も、近隣トラブルによる予期せぬ対応コストや撤退リスクを減らすための有効な投資です。

民泊収益シミュレーションで気を付けたいポイント

シミュレーションはあくまで予測であり、現実とは必ず乖離が生じます。その差を最小限に抑え、事業開始後の「こんなはずじゃなかった」を防ぐために、計算時に特に注意すべき3つのポイントを解説します。

税金や会計処理を反映する

多くのシミュレーション記事では、税引前利益で語られることが多いです。しかし、実際に手元に残るのは税金を支払った後の金額です。

個人の副業であれば雑所得として総合課税され、本業の給与所得と合算して税率が決まるため、高所得者の場合は所得税だけで利益の30%〜40%が持っていかれる可能性もあります。

また、初期費用のうち設備投資にあたる部分は、一度に経費計上できず、数年にわたり減価償却していくことが必要です。税理士に相談するなどして税金面も含めたシミュレーションを行いましょう。

現実的な稼働率や単価の設定する

シミュレーションで最も危険なのが都合の良い数字を並べてしまうことです。根拠のない自信は禁物です。リスク管理の観点から、シミュレーションは楽観的シナリオ、現実的シナリオ、悲観的シナリオの3パターンを作成することをおすすめします。

悲観的シナリオでも赤字にならず、キャッシュが回るかどうかを確認しましょう。最悪のケースを想定しておくことで、不測の事態にも冷静に対処できます。

繁忙期・閑散期を分けて計算する 

民泊の売上は季節によって大きく波があります。一般的に、ゴールデンウィーク、夏休み、年末年始、桜のシーズン、紅葉シーズンは稼ぎ時ですが、2月や6月などは閑散期となり予約が激減することが多いです。

年間を一律の単価・稼働率で計算するのではなく、繁忙期(3ヶ月)、通常期(6ヶ月)、閑散期(3ヶ月)のように期間を分けて計算することで、より実態に近い数値を出せます。

特にリゾート地や季節性の強い観光地では、この季節変動の影響が顕著に出るため、月ごとの収支予測表を作成することが必須です。

まとめ 

民泊の収益シミュレーションは、投資判断の基礎となる重要なステップです。物件のポテンシャルを正しく評価し、稼働率や単価、そして見落としがちな経費を現実的に見積もることで、リスクを抑えた運営計画を立てられます。

立地や物件タイプ、運営スタイル(家主居住型か不在型か、自主管理か委託か)によって収益構造は全く異なります。一つの正解があるわけではないため、本記事で紹介した項目を参考に、複数のシナリオでシミュレーションを行うことをおすすめします。

そして、自分の資金力や投資目標に最も合った物件を選び抜くことが、民泊ビジネス成功への近道となるでしょう。

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