民泊譲渡の相場はいくら?価格の決まり方と売買のポイントを解説

民泊事業を運営していると、「民泊を譲渡した場合はいくらになるのか」「民泊を買う場合の価格相場はどのくらいなのか」と気になる方も多いのではないでしょうか。
実際、民泊事業は不動産とは異なり、設備・運営ノウハウ・収益力などを含めて評価されるため、価格の決まり方が少し特殊です。仲介をしていると「思ったより高く売れた」「もっと早く相談すれば良かった」という声を両サイドからよくいただきます。
本記事では、民泊譲渡の相場感や価格の決まり方、価格が高くなる民泊の特徴についてわかりやすく解説します。民泊の売却や購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
民泊譲渡の相場はいくら?
結論から言うと、民泊譲渡の相場はおおよそ「100万円〜1,000万円程度」になるケースが多いです。
もちろん物件の規模や収益によって大きく変わりますが、一般的な目安は以下の通りです。
民泊譲渡の価格イメージ
- 小規模民泊(1室・低稼働)
100万〜300万円 - 都市部の民泊(安定稼働)
300万〜700万円 - 高稼働・複数部屋の民泊
700万〜1,000万円以上
特に東京・大阪などの観光需要が高いエリアでは、安定した収益が見込めるため、比較的高い価格で譲渡される傾向があります。
民泊譲渡の価格はどうやって決まる?
民泊の譲渡価格は、主に以下の要素によって決まります。
① 収益(年間利益)
最も重要なのは民泊の収益力です。
民泊M&Aでは「マルチプル法(年買法)」と呼ばれる計算方法が一般的で、実質的な年間利益(EBITDA)の2.0〜3.5倍が価格の目安になるケースが多いです。
例えば以下のようなイメージです。
- 年間利益100万円 → 譲渡価格200万〜350万円
- 年間利益300万円 → 譲渡価格600万〜1,050万円
つまり、しっかり利益が出ている民泊ほど高値で譲渡できる可能性があります。赤字や稼働率の低い時期に売りに出すと評価が下がるため、タイミングも重要です。
② OTAの集客実績・稼働実績
民泊はOTA(オンライン旅行予約サイト)上の実績も大きな価値になります。特に以下の要素は買い手にとっての魅力につながります。
- レビュー数・評価スコア
- 稼働実績・売上データ
- リピーター比率
例えば、レビューが100件以上あり評価が4.8以上の民泊は、新規で始めるよりも圧倒的に集客が安定しています。こうした実績がある物件はそれだけで「事業の価値」として評価されます。
※ なお、Airbnbのアカウントやリスティング、スーパーホストのバッジはAirbnbの規約上、第三者への譲渡が禁止されています。OTAの実績はあくまで「物件の集客力の証明」として評価材料になりますが、Airbnbアカウント自体を引き継ぐことはできない点にご注意ください。
③ 立地(観光需要)
民泊の価値は、立地によって大きく左右されます。インバウンド需要が高く、通年で観光客が訪れるエリアほど稼働率が安定するため、買い手からの評価も高くなります。
需要が高いエリアの例です。
- 東京(浅草・新宿・渋谷など)
- 大阪(難波・心斎橋など)
- 福岡・札幌
観光客が多いエリアでは稼働率が高いため、民泊譲渡の価格も高くなる傾向があります。逆に地方の閑散エリアでも、稼働実績がしっかりあれば評価されます。
④ 許可・運営形態
民泊の運営形態によって、譲渡後の買い手にとっての使いやすさが変わります。これが評価にも影響します。
- 住宅宿泊事業(民泊新法):年間180日の営業上限あり。買主が届出を取り直す必要がある。
- 特区民泊:年間営業日数の制限なし。ただし買主が認定を取り直す必要がある。
- 旅館業(簡易宿所):365日営業可能。事前手続きを経ることで許可の承継も可能。
特に旅館業(簡易宿所)許可を持つ物件は、営業日数の制限がなく許可の承継もできるため、買い手にとってのメリットが大きく、評価が高くなる傾向があります。
⑤ 設備・外注先・運営体制
民泊譲渡では、以下の資産も含めて売買されます。
- 家具・家電・内装
- 清掃業者などの外注先
- 運営ノウハウ・マニュアル
- 賃貸借契約
「引き渡した翌日からすぐ運営できる状態」であることは買い手にとって大きなメリットです。清掃業者の引き継ぎや運営マニュアルが整備されているほど、購入側のリスクが低いため価格が高くなる傾向があります。
民泊を新しく始めるより譲渡(M&A)の方が有利な理由
最近では、新規で民泊を始めるよりも民泊M&Aを選ぶ方が増えています。特に東京では新規の民泊可能物件を見つけること自体が難しく、M&Aが事実上の参入手段になってきているほどです。
① すぐに営業できる
民泊をゼロから始める場合、物件探し・管理規約確認・許可取得・内装準備・集客など、数か月以上かかることも珍しくありません。一方、民泊M&Aならすでに運営されている事業を引き継げるため、手続きが完了した翌日から運営可能です。
② 売上実績が見える状態で買える
新規民泊の場合、「本当に利益が出るか分からない」という不安がつきまといます。しかし民泊M&Aでは、売上データ・稼働率・実際の経費などが確認できるため、収益性を判断してから購入できます。投資判断のリスクが大幅に下がる点は、M&Aの大きなメリットです。
③ 一部OTAの集客実績を引き継げるケースがある
Booking.comなど一部のOTAでは、M&Aによって予約実績やレビューを引き継げる場合があります。ゼロからレビューを積み上げる期間をショートカットできるのは、事業のスタートダッシュにおいて大きなアドバンテージです。
※ Airbnbのアカウント・リスティング・レビューは規約により第三者への譲渡が禁止されています。OTAごとに取り扱いが異なりますので、事前に確認が必要です。
民泊譲渡を検討するなら専門仲介を活用するのがおすすめ
民泊譲渡は、許可の確認・賃貸借契約の名義変更・収益データの精査・クロージング手続きなど、専門的な知識が必要な場面が多くあります。個人間でのやり取りは、後からトラブルに発展するリスクも少なくありません。
民泊に詳しいM&A仲介会社を利用することで、安全かつスムーズに取引を進めることができます。また、専門仲介会社であれば以下のサポートも受けられます。
- 民泊譲渡案件の紹介・マッチング
- 適正価格の査定(無料)
- 契約・手続きのサポート
まとめ|民泊譲渡の相場は収益によって大きく変わる
民泊譲渡の価格は、主に以下の要素で決まります。
- 年間利益(マルチプル2.0〜3.5倍が目安)
- 立地・観光需要
- OTAの集客・稼働実績
- 許可の種類(旅館業は特に有利)
- 設備・外注先・運営体制の整備状況
一般的には100万円〜1,000万円程度が相場ですが、収益性の高い民泊ではそれ以上になるケースもあります。まずは自分の民泊がいくらで売れるのか、専門家に無料査定を依頼してみることをおすすめします。
民泊投資や民泊運営を検討している方は、
新規開業だけでなく、民泊M&Aも一つの選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。
民泊専門M&A仲介 Tabiji Partnersに相談する
本記事の監修
株式会社Tabiji Partners代表取締役
濱口優太郎
東京都の旅館業民泊・住宅宿泊事業を中心に、東京都の各種民泊事業譲渡プロジェクトのメインアドバイザーとして、民泊・旅館業M&Aを成約に導く。個人での仲介実績は30件超