売却ガイド

複数店舗・ポートフォリオ民泊の売却|まとめて譲渡する際のポイント

複数店舗・ポートフォリオ民泊の売却|まとめて譲渡する際のポイント

複数の民泊施設をまとめて売却したい——事業拡大やポートフォリオの見直しに伴い、こうしたご相談は少なくありません。複数店舗の売却は、1施設のみの譲渡とは異なる論点があり、進め方によって条件も変わります。本記事では、複数店舗・ポートフォリオ民泊を売却する際のポイントを整理します。

売却の進め方とスケジュール

複数施設の売却は、1施設のみの譲渡よりも準備・交渉・手続きの量が増えるため、スケジュールに余裕をもって進めることが望まれます。まずは全施設の情報を一覧化し、どの施設をどの順序で、どの買い手様層に向けて打診するかという方針を固めます。そのうえで、秘密保持契約を前提に情報を開示し、関心を持った買い手様と条件をすり合わせていきます。施設ごとに許認可や契約の確認事項が異なるため、並行して進める際には進捗の管理が重要になります。

また、複数施設を同時に市場へ出す場合、情報管理には特に注意が必要です。売却の検討が従業員や取引先、ゲストに伝わると、運営に影響が及ぶおそれがあります。信頼できる仲介を通じ、開示範囲をコントロールしながら進めることが、事業価値を守るうえでも大切です。

買い手様が複数店舗に魅力を感じる理由

買い手様の視点では、複数施設をまとめて取得できることは、短期間で事業規模を拡大できる魅力があります。ゼロから物件を探し、許認可を取得し、運営を立ち上げる手間と比べ、収益化済みの施設群をまとめて引き継げる点は大きな利点です。運営の仕組みやノウハウも一括で承継できれば、取得後の立ち上がりもスムーズになります。こうした買い手様のニーズを理解しておくことは、条件交渉を有利に進めるうえでも役立ちます。

まとめて売るか、分けて売るか

複数施設を売却する場合、まず検討したいのが「一括で譲渡するか」「施設ごとに分けて譲渡するか」という方針です。一括譲渡は、手続きを一本化でき、買い手様にとっては規模のメリットを得やすい一方、まとまった資金力のある買い手様に限られる傾向があります。分割譲渡は、各施設に適した買い手様を探せるため成約の可能性が広がりますが、その分、交渉や手続きが複数並行することになります。

どちらが適しているかは、施設の立地や許認可、収益性のばらつき、売り手様の希望する時期や条件によって変わります。全体像を整理したうえで、最適な組み合わせを検討することが大切です。

ポートフォリオならではの評価の視点

複数施設を運営している場合、個々の施設の価値だけでなく、ポートフォリオ全体としての強みも評価の対象になり得ます。たとえば、エリアが分散していてリスクが平準化されている、運営の仕組みや管理体制が統一されていて引き継ぎやすい、といった点は、買い手様にとって魅力となります。反対に、収益性に大きな差がある施設が混在している場合は、全体の評価が慎重になることもあります。

また、複数施設を一つの法人で運営している場合は、株式譲渡によって法人ごと引き継ぐスキームも選択肢になります。この場合、許認可や契約をまとめて承継しやすい反面、簿外債務などのリスクも引き継ぐため、買い手様は慎重に確認します。

確認しておきたい主な論点

複数店舗の売却では、施設ごとに条件が異なるため、事前の整理がとりわけ重要になります。次のような点を施設ごとに一覧化しておくと、買い手様への説明がスムーズです。

  • 施設ごとの許認可区分(旅館業・住宅宿泊事業・特区民泊)
  • 賃貸借契約の残存期間とオーナー様の承諾状況
  • 施設ごとの収益性(稼働率・ADR・利益)
  • 管理・清掃体制が共通か、施設ごとに異なるか
  • 譲渡対象に含める資産・含めない資産の切り分け

運営体制の引継ぎがカギになる

施設数が多いほど、運営体制の引継ぎは重要度を増します。清掃やゲスト対応、予約管理などが仕組みとして整理され、マニュアル化されているほど、買い手様は取得後の運営をイメージしやすくなります。特定のスタッフや売り手様個人に依存した運営になっている場合は、引継ぎ方法をあらかじめ検討しておくと、交渉が円滑になります。

段階的な譲渡という選択肢

すべてを一度に手放すのではなく、一部の施設から段階的に譲渡していく方法もあります。運営負担を徐々に軽くしたい場合や、特定エリアだけを整理したい場合に適しています。ただし、残す施設と譲渡する施設で、管理体制や契約をどう分けるかを整理しておく必要があります。

よくあるご質問

Q. 収益にばらつきのある施設が混在しています。 A. 一括と分割のどちらが有利かを含めて検討できます。全体を整理したうえでご相談いただくことをおすすめします。

Q. 法人ごと売却することもできますか。 A. 株式譲渡によって法人ごと引き継ぐスキームも選択肢となります。税務やリスクの面から専門家を交えた検討が望まれます。

まとめ

複数店舗・ポートフォリオ民泊の売却は、一括か分割か、事業譲渡か株式譲渡か、といった方針の設計が成否を左右します。施設ごとの条件を整理し、運営体制の引継ぎまで見据えて進めることが大切です。株式会社Tabiji Partnersは民泊専門のM&Aとして、複数施設の売却についてもご相談に対応しております。あわせて民泊M&Aとはもご覧ください。

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